いじめをする子供(加害者)といじめられる子供(被害者)。どちらが悪いと思いますか?子供の中にはいじめられる側が悪いと言う子供がいます。
日本子ども社会学会が平成14年2月にZ県にある小学校で4〜6年生(625人)と各学級担任・副担任教師(19人)を合わせた644人を対象にした質問調査を行った。
いじめを正当化し、いじめを認識しない子供たち
いじめをした事が「ある」と答えた子どもたちに下記10項目の中から、いじめをした理由を尋ねた結果、「相手に悪いところがあるから」と答えた子供が62%でいじめた理由で一番多く、いじめられる側に問題が有り、自分のせいではないと正当化した。
次に多かったのは「遊び・悪ふざけだと思っていたから」が約41%でまた「暴力をふるっていないから、たいしたことじゃないとおもったから」が約19%にのぼり多くの子どもが、いじめと認識していない。
※当てはまる・やや当てはまると回答した人数を合計した数字です。
1.いじめなければ自分がいじめられる
2.暴力をふるっていないから、たいしたことじゃないと思っていた
3.遊びや悪ふざけだと思っていた
4.相手に悪いところがあるから
5.だれだっていじめをしているから
6.友達からいじめをするように誘われた
7.みんなでいじめをしようと決めたから
8.おもしろいから
9.気分がスカッとするから
10.なんとなくいじめたくなるから
いじめる理由とそれぞれの違い
・男子と女子の違い
男子では「暴力をふるっていないから、たいしたことじゃないと思っていた」や「.遊びや悪ふざけだと思っていた」という理由が多かったが、他にも「おもしろいから」・「なんとなくいじめたくなるから」という理由も多かった。
男子は女子に比べ、身体的・物理的な危害を加えるいじめが多い。
女子では「相手に悪いところがあるから」という理由が一番多かった。
女子は男子に比べ、社会的孤立・グループからの締め出しという精神的ないじめが多い。
・いじめ被害経験のある子供
いじめ被害経験がある子供は「相手に悪いところがあるから」「だれだって、いじめをしているから」「友だちから、いじめをするようにさそわれたから」という理由がいじめ経験が無い子供よりも多かった。
いじめられた子供の対応
いじめられた際の対応としても調査をしている。その中でて、「何もしないでいじめられるままになっていた」と回答した子供たちに理由を尋ねた結果、「自分にも悪いところがあったから」は34.0%で「いじめられているのをだれかに言うのは、卑怯だと思ったから」は34.8%でした。
いじめを発見した際の教師の対応
教師といじめた子供との話し合い、及び教師立会いのもとでの、「いじめた子供」と「いじめられた子供」との話し合いを「よくした」と回答した教員の割合は、それぞれ、100%、75.0%と高いものになっている。が、教師といじめた子供の親との話し合いは37.5%。また当事者たちの親同士の話し合いは12.5%となっている。
まとめ
いじめをする子供の大半が「相手に悪いところがあるから」または「遊び・悪ふざけ・たいしたことじゃない・誰だっていじめている・友達から誘われた」と、いじめを正当化している。また「おもしろいから」「なんとなくいじめたくなるから」「気分がスカッとするから」という被害者への配慮に欠けた、自己中心的な子供が多い。
逆にいじめられた子供は「自分にも悪いところがあったから」「誰かに言うのは卑怯だと思う」という自分を責めたり、告げ口は卑怯だと思う子供が多かった。
いじめを中々親に言わない心理って卑怯だと思っていたからなんですね。全然卑怯じゃないんだけどね。そして自分が悪いなんてことはないんだけど、学級・学校っていう閉鎖空間にいたらそういう風に考えてしまうんだろうなと思いました。
だからこそ気になったのは教師の対応。なんで教師と加害者側の親との話し合いが37.5%あるのに、教師と被害者側の話し合いは無いのかって事。被害者の親には知らせずに解決したいのかな?と思ってしまった。